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現代文の分析

2010.11.28 - ケータイ
現代文の印象はあまり良くないのではないでしょうか。
実際勉強しても伸びづらい、そもそもなにをやってる教科なのかわからない、理数系教科の内職に利用されたりしちゃうという印象があるのは否めない。
しかしまぁ勉強する意義のある教科だとは思います。とりあえず「日本語の読み書きや会話なんて日常的にやってるのになんでわざわざ…」とか言う人が文法的に完璧な日本語を使ってるのは見たことがない。まぁ「完璧な日本語を使え」と言うより「間違った日本語を使うな」という方向性のもと、ある程度のレベルで日本語を使うことが求められているのではないかと思いますが、やはり母国語の使用が危うい状態は日本人としてのアイデンティティが危ういんじゃないでしょうか。
おそらく試験で問われる現代文もそういった使用が出来るかどうかを試しているのではないかと思います。

では具体的にどういった使用が求められているのか、「なにをやっているのかよくわからない現代文」は一体なにをやっているのか。

その問いを解く鍵をウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」に求めてみましょう。
非力ながら言語ゲームについて説明すると、「言葉の意味は言葉の使われ方に依る」というもので、例えば僕が「鉛筆」とか言ったとき、「鉛筆」が指すものは具体的な物体や心的なイメージではなく「鉛筆という語がどのように使われたか」である。ということです。その場の状況や会話の流れで語の意味は変化するんですね。
この認識に基づくと、まさに現代文の試験とは言語ゲームなのです。提示された文章を読み、「この言葉はどういう使われ方をしているのか?」というやり方によって紐解き、最終的に「筆者の言わんとするところはなにか?」までたどり着く。そういうゲームなのです。

次に一般的な試験の形式(評論・小説)について個別に当たってみます。なぜこの2つが選ばれるのか。おそらく現代文を通じて求められる能力の象徴が評論・小説であるからと思われます。

評論で求められるものは「論理的思考力」でしょう。評論の構成は序論-本論-結論という一定の形式に当てはめられており、一貫した筆者の主張に具体例などが肉付けされています。
評論といえばやはり難しい表現が多い。例えばこの「難しい表現」も「難解な表現」とか「理解しがたい表現」みたいに似たような形でこねくり回すこともある。
しかしそういった表現にも必ず意図があるはずです。筆者は自分の言いたいことを人に理解して欲しくて文章を書く、しかし出来るだけ誤解や齟齬を招いて欲しくはない、したがって筆者が使う表現は「筆者の考えを表すのに最も適したもの」が使われるのです。それを「どういう使われ方をしているのか?」と逆に辿っていくことで筆者の主張はつかめる。あとはそれを論理的に矛盾がない形で組み立てる思考力、それこそが評論で求められる能力なのです。

小説では「想像力」が問われます。小説は論理の飛躍や矛盾もあり得る。愛とか友情とかを理路整然と語るのも堅苦しいでしょう。
やはりここでも筆者が使う表現は筆者の思い描く世界観を表すのにふさわしいものです。細やかな情景描写にも必ず意図がある。
たぐり寄せた筆者の意図をどう組み立て直すか、評論のように一定の形式に当てはめられるものではありません。
実はここで「マンガ的思考力」が意外に役立つのではないかと最近思い始めました。
マンガを読むとき、意識せずとも文字による情報と絵による情報を平行処理しています。どちらか一方に偏ると正確に物語を楽しめない。
文字に一元化されている物語をマンガ的なイメージ+文字の二元化に持ち込むこと、これが小説読解の戦略なのです。ホラお母さん方、マンガも意外に勉強の役に立ってるかもしれませんよ!w



最後に現代文で超ありがちな問い、「文章読んで人がもつ考えや感想なんて人それぞれじゃん!数学みたいに1つの答えにはなんないだろ!」に僕なりの見解を示しておこうと思います。適当な図式も交えつつ。

ここまで見てきたとおり、文章にはまず筆者の考えがあり、そこになんらかの意図をもって、ある言葉が使われます。

考え・世界観 → 【意図】 → 言葉

【】←これはフィルターだと思ってください。これを通すと前後が変化します。
確かに人それぞれの感想は違いますが、それは与えられた言葉に解釈を加えたものです。

(略) → 言葉 → 【解釈】 → 感想

解釈というフィルターを経た時点で「人それぞれの感想」は「筆者の考え」とは違いますね。
さて模試なんかの問題文を見てみると、感想が問われる問題はまったくありません。問われるのは「筆者の考え」や「登場人物の心情(=作者に作られたもの、作者の世界観)」が中心です。
つまりどんな感想を持とうが、それは問題じゃない!ということです。

考え・世界観(こっちを聞かれてる) → 【意図】 → 言葉(ここが問題文になる) → 【解釈】 → 感想(知ったこっちゃない)

感想は十人十色ですが筆者の考えや世界観は1通りです。作者は1人なんですから。
必要な作業は言葉から逆算して意図というフィルターをかいくぐり筆者の脳内にたどり着くことだけです。

筆者サイド:考え・世界観(こんなことを書きたいな) → 【意図】 → 言葉(こういう使い方してみた)
↓逆転
解答者サイド:言葉(こんな使い方で書かれてるな) → 【意図】 → 考え・世界観(こんなことを言いたいんだろう)

…うん、やっぱ見づらかったよねコレ……
携帯の限界かあぁ。でもやっちゃったもんは仕方ないからこのまま書いときますね。
とにかく、現代文は答えがバラバラ、勉強しても無駄、やる意味ナシみたいな考えでいる人はちょっと考え直してみてはいかがでしょうか?



まぁこんなことを書きながら、自分も色々と試行錯誤する日々です。
こんな見づらいのでも国語の点数で伸び悩む人の助けになれば幸いです。
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KANI at 01:21
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 プロフィール 
HN:
KANI
年齢:
32
性別:
男性
誕生日:
1992/05/11
職業:
学生
趣味:
陸上、ゲーム
自己紹介:
帯広生まれ帯広育ち札幌在住。
春から筑波大学国際総合学類。

陸上歴12年目。
尊敬する人は為末大。
考えて、実践し、結果を出す陸上が信条です。
人に夢を与える走りをするのが目標です。

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